乾癬(かんせん)

乾癬(かんせん)とは

乾癬(かんせん)とは、境界のはっきりした、赤い発疹で、銀白色の鱗屑(りんせつ。かさかさした、厚いかさぶた状のもの)が付着しています。
多くは、円形や楕円形をしていますが、その大きさ、形は様々です。かゆみを伴うこともあります。
発疹は主に、腕や脚の伸側、腰部や臀部、頭部に繰り返し現れ、慢性に経過します。ひっ掻く、擦れるなどの機械的な刺激が繰り返されると発疹が出現します。
皮膚以外にも、爪の変形や関節炎を伴うこともあり、最重症ケースでは高熱と膿み(膿疱)を伴います。

乾癬(かんせん)の原因

基礎に遺伝的要因があります。そして、二次的な要因が引き金となり、発症する多因子疾患と考えられています。
その要因には、内分泌障害、高脂血症などの代謝障害、糖尿病、病巣感染、アレルギー、薬剤、物理的刺激、動物性脂肪の多い食事などが考えられています。乾癬と高脂血症≫
乾癬は白人に多い病気で、人口の1~2%の方が乾癬を発症しています。
白色人種は牛や豚などの肉類摂取量が多いこと、戦中戦後の日本ではこの病気の有病率が低かったこと、生魚をたくさん食べるイヌイットには乾癬が極めて少ないこと、などからこの病気には高脂血症が増悪因子である可能性が考えられています。

乾癬(かんせん)の治療

乾癬には様々な治療があります。発疹の状態、重症度、患者さんの日常生活の質、健康状態、生活環境などを十分に考えた上で、以下の治療を組み合わせています。

外用療法

ステロイド剤 ・・・ 有効な薬ですが、長期連用では皮膚が薄くなったりすることがあります。
尿素軟膏 ・・・ かさかさを取る薬です。
活性型ビタミンD3軟膏 ・・・ 1ヶ月くらい外用を続けていくと、効果が出てきます。
コールタール ・・・ 古典的に有効な外用剤ですが、衣服やシーツ、布団がアスファルト色に染まるので入院の上で行いたい治療です。

内服療法

抗アレルギー剤
ビタミンH(ビオチン)
イコサペント酸エチル(EPA)
免疫抑制剤(シクロスポリン)・・・ 長期連用では血圧や腎障害などの副作用に注意を要します。
ビタミンA(レチノイド) ・・・催奇形性があるので使用上注意を要します。
メソトレキセート・・・海外では多く使われています。

光線療法

PUVA ・・・ 光感作物質の内服か外用後にUVAを照射します。
ナローバンドUVB ・・・ 特定領域の波長のUVBを照射します。

生物学的製剤

乾癬の増悪因子の一つ、TNFαをブロックする治療法が、平成22年1月20日厚労省から認可されました。
注射・点滴製剤で、IL-17、IL12/23をブロックする製剤も認可されています。
いずれも注意深い使用が必要ですので、大学病院や総合病院などの大きな施設での導入が必要です。

新しい治療について

2017年3月に乾癬の新しい治療薬PDE4(ホスホジエステラーゼ)阻害剤が日本で発売になりました。
オテズラという内服薬ですが、欧米を主体に2014年から使用され、その有効性と安全性が確認されています。
乾癬では免疫細胞内のPDE4という酵素が過剰に発現しています。そのため免疫細胞から、炎症を引き起こすサイトカイン(TNFα、IL-17、IL-23など)がたくさん作られ、乾癬が悪化すると考えられています。
この薬はPDE4を抑制して過剰な炎症を調節し、乾癬の症状を改善させてくれます。
頭皮や爪の症状にも有効性が確認されています。
数か月かけて徐々に効果が発現し、4か月程度服用すると皮疹がほぼゼロになる割合が20~30%、残り70%の方も皮疹がかなり改善するというデータが出ています。残念ながら数%の方には効果が認められないようです。
この薬には内臓障害や免疫抑制等の重篤な副作用の報告は今のところありませんので、副作用をチェックする検査は不要です。頭痛、嘔気、下痢といった症状が10~20%にみられますが、2週間から4週間で体が慣れてくると、そのような症状も起きにくくなります。
薬価(調剤代を含まない)ですが、3割負担の方で2週間分が約8千2百円です。また認可から1年間(2018年2月まで)は、2週毎の処方となります。
乾癬でお悩みの方はご相談ください。

乾癬友の会

患者さんたちの会です。
全国各地に友の会がありますので、興味がある方は一度訪問して下さい。

秘湯の旅

北海道の稚内の近くに、石油成分(タール成分)を含有する温泉があります。豊富温泉という温泉です。石油成分には刺激症状があるため、万人に有効ではないと思いますが、理屈の上では乾癬に有効と考えられます。